イネ科では小穂の鱗片を総じて穎(えい)とよぶ。イネ科の小穂では、中心に雌しべがあり、周囲を雄しべが囲むのが花であり、その外側を2枚の包葉に由来する鱗片が包むのが、花の基本構成である。2枚の包葉は、花の出る元の枝、つまり小穂の軸に対して腹背方向に位置する。軸の側にあるのが小穂の内側に、軸の反対側にあるのが小穂の外側に回ることになる。この、外側のものを護穎(ごえい)、内側のものを内穎(ないえい)と呼ぶ。また、小穂の一番基部には、花のつかない穎が2つある。これは花序の枝の基部の包葉から由来するもので、それぞれ第一包穎・第二包穎(ほうえい)と呼んでいる。従って、イネ科の小穂には、まず基部に二枚の包穎があり、その内側に護穎と内穎に挟まれた小花が配置する。小花の数が多ければ、当然護穎と内穎も多い。また、護穎と内穎は小穂に含まれる花の数だけあることになるが、これらの穎だけを残して、花本体が退化しているものもある。そうすると、花の数から期待されるより多くの穎があることになる。
穎の先端からは棘状の突起が出るものが多い。これを芒(のぎ、ぼう、とも)という。芒の有無は属や種の判別に使われることもあるが、種内の変異がある場合もある。
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基本的には両性花である。しかし様々な形で分化が見られる。その一つの型に一部の小花で雌蘂が退化する、というのがある。つまり両性花と雄花に分かれるものである。この場合、両性の方だけに果実を生じるので、そちらの方を登実花と言い、その花の護穎を登実護穎というような使われ方をする。
一部に雌雄が分かれるものがあり、それには雄花と雌花が分かれているもの、雄小穂と雌小穂が分かれるもの、花序そのものが分かれるもの(トウモロコシなど)などがある。小穂の構造、小穂の配列などが属を決める重要な手がかりとなるが、イネ科は属の数がとても多く、同定はなかなか大変である。